無痛分娩の先進国「アメリカ」
日本ではたった数%しか選択しない無痛分娩という出産方法ですが、海外ではこの割合は大きく変わってきます。
特にヨーロッパやアメリカ・カナダでは非常に高い割合で無痛分娩を選択する方が多いと言われています。
しかし、そもそも欧米で広く信仰されているキリスト教では基本的に陣痛は神から与えられた試練とも解釈されており、近代になるまではあまり浸透していなかったようです。
なお、徐々に広まってきたのが今から160年前の1853年にイギリスのよるビクトリア女王の無痛分娩を転機として、産痛除去のキリスト教的宗教論争が解決され、 現在欧米では、硬膜外麻酔による無痛分娩が一般的になりました。
そんな無痛分娩ですが、昨今のアメリカでは約80-90%以上の方が無痛分娩を選択するという高い割合にまで変化してきたようです。
この理由は大きく二つあると思っています。
- 無痛分娩の技術が向上し、リスクが限りなく低くなった
- 女性の権利がしっかりと認められる社会となった
この二つが大きいと言われています。
一つ目の理由はもちろんの事、最も大きいのは2番目と言われています。
陣痛や出産のの痛みに関しては、民族の文化や風習あるいは宗教が大きく影響し、長い人類の歴史のなかで、女性はただ耐えることが強要されていました。
しかし、最新の技術と科学によって痛みを強要することなく安全に出産できるようになった今、女性が痛みに耐えることを強要される理由はなくなったのです。
日本ではまだまだ「痛みを我慢することは母になる試練であり、必要な痛みである」という考えがありますが、欧米、特にアメリカでは上記のような女性が痛みに耐えることを強要される理由はなくなったという考えが浸透しているのです。
このことからアメリカでは約80-90%以上の方が無痛分娩を選択するようになったのです。
また費用に関しても比較的安価で受けることが出来るようですね。
これも理由の一つかもしれません。
無痛分娩の是非を問う論争はさておき、日本ではそもそも「痛みを我慢することは母になる試練であり、必要な痛みである」という考えが無痛分娩という選択肢があるという自由さえ奪っているのは確かでしょう。