自己調節硬膜外鎮痛っていったい何?
自分で痛さを調整できる新しい無痛分娩
自己調節硬膜外鎮痛とは英語でPCEA(Patient Controlled Epidural Analgesia)と呼ばれ、読んで字のごとく自ら麻酔薬の量を調節できるような仕組みです。
この自己調節硬膜外鎮痛の最大のメリットは、上記のとおり、産婦さん自分自身で薬の投与量をコントロールでき、分娩中の痛みに応じて量を調節し、「痛さの度合いを自ら調節できる」というものです。
通常の硬膜外無痛分娩では硬膜外腔に入っているカテーテルがありますが、この自己調節硬膜外鎮痛ではそのカテーテルにポンプが接続され、そのポンプを妊婦さん自身がボタン操作をして薬を注入できるようになっています。
このボタンを押せば自動的に追加の麻酔薬が硬膜外腔に注入され、自らの痛みの度合いの応じて麻酔の強弱を調整できるのです。
麻酔は効きすぎないの?
ここで気になるのが、麻酔を聞かせすぎてしまい、麻酔薬が多く投薬されてしまい胎児へ影響がでないの?という疑問です。
この疑問に関しては元々投与できる麻酔薬の量は自動的に制限されるようになっているので安心です。
痛いからといてボタンを押しすぎても使いすぎる心配はありません。
自己調節硬膜外鎮痛(PCEA)のメリットは?
痛みが調節できるという最大のメリットに加えて大きく二つのメリットがあります。
一つは「鎮痛薬の総使用量が減り、出産後の負担が軽減される」というものです。
通常の硬膜外無痛分娩では常に麻酔を効かせ続けるために結果として麻酔薬の使用量が多くなりがちです。
自己調節硬膜外鎮痛(PCEA)ではあくまで痛いときのみ麻酔薬を投薬するので使用量が減って、結果として出産後の副作用の発生率の低下などに繋がります。
二つ目は「ある程度の痛みを感じることが出来、しっかりとイキムことが可能」
一部の方は無痛分娩だと痛みを感じることが出来ず、達成感が・・・なんて方もいます。
また、完全に無痛過ぎるとイキム瞬間がわからない・・なんて人も。
ただ、自己調節硬膜外鎮痛(PCEA)であれば、自分の調整次第ですのでそもそも陣痛の痛さが我慢できそうだったら麻酔を使わなくてもいいのです。
ある意味非常にフレキシブルな分娩方法といって良いでしょう。
このように非常にメリットが多い自己調節硬膜外鎮痛(PCEA)ですので、無痛分娩を考えている方はぜひ参考にしてみてください。